益楽男がこれまで歌った曲
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【天球の調和研究会】
私がこんな曲書いたら死んでしまうわ。死んでも書けないけど…。
西下さん、ありがとうございます。
絶望
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No.13 「ゲーテの歌」の夜 〜私と天球の調和〜


「ゲーテの歌」が完成した日の話

男声合唱とピアノのための組曲「天球の調和」の終曲である「ゲーテの歌」が誕生したのは、平成27年6月26日のことである。意外なことに組曲の中で一番最初に西下さんから楽譜をいただいた曲である。受け取った時の感動を今も忘れない。感動というか、衝撃といったほうがいいだろうか。この時はこの曲が全く理解できなかった。

西下さんから楽譜が届いたという知らせが、携帯に転送されてきた。メールを開いてみると、奇怪な音が携帯から流れ出した。(なんだろう携帯壊れたかな?)メールをみるとMIDIファイルと楽譜のPDFが添付されている。これは家に帰って確認してみないとわからないな…、そう思いながら帰宅した。パソコンを開き、メールを確認する。ファイルをダウンロードして、再生した。
・・・・・・・・・・・・・・!!
同じ音だ。携帯から流れたあの同じ音だ。私のガラケーはどうやらMIDIファイルが再生できるらしい。「これは、曲か??」最初の感想がこれだった。長い…、なんというスロー。

このとき衝撃を与えた「ゲーテの歌」は、益楽男を長いこと苦しめることになる。


「人生の踊」が完成した日の話

2番目に完成したのが、「人生の踊」である。平成27年10月12日のことである。1曲目を受け取ってからこの間、ゲーテにどう取り組むべきか頭を抱えながらも、コンクール曲の練習に必死であった。
「ゲーテの歌」が、アレだったから次にどんな曲がくるのだろう。
少々警戒しながら、受け取ったMIDIを再生した。
・・・・。
流れてきたのは、軽快な曲だった。ホッと胸を撫で下ろした。「これならイケる!」
こうしてしばらく、スーパーで買い物するのきBGMは「人生の踊」となり、軽くステップを踏んでいる変な人になっていた。


「絶望の逃走」が完成した日の話

「(年明けの)合宿までには、残り2曲できます」と忘年会で西下さんがおっしゃっていた。しかし合宿前日になっても届かなかった。もしかしたら、当日持ってきてくださるのかもしれない、手書きの楽譜で十分だから…持ってきてくれるのかもしれない!と、期待に胸を膨らませ迎えた合宿。何事もなく合宿を終えた。当然、西下さんに尋ねることなどできなかった。物を創りだすということは大変なことなのだと思い、じっと待った。そうして、完成したのが平成28年2月9日のことである。

曲を聴いて納得した。これを西下さんは創っていたのだ!
歌い手は、素晴らしい歌が歌えてこそ幸せだ。あとは我らが歌う番だ!毎日スタンバイしてくれていた団員たちにより、すぐさまパートMIDIが作られ、自主練も行い、少しずつ形になってきた。速いリズムも不協和音も、やればなんとかなる。

益楽男の練習場のホワイトボードに「絶望」の文字が並ぶ。
絶望の音取り・・・
絶望の練習・・・
絶望の通し・・・


「個性について」が完成した日の話

「個性について」は最も作曲者を悩ませた曲なのではないだろうか。論文から歌詞の抽出もしなくてはならないその創作は、困難を極めるであろうと容易に想像できた。そもそも、詩でないものに歌をつけるなんて!
この組曲のテーマが「天球の調和」「天球の音楽」である。
前の3曲で踊ったし、逃走したし、安らんだし、すでに出尽くした感がある。論文らしく理性的な感じだろうか、理性的な曲ってどんな?そんな想像をしながら曲の完成を待った。

平成28年2月27日、とうとう「個性について」が完成する。10分を越える大曲である。なんだか、すべてが詰まった曲になった。「個性について」の論文が凝縮して、磨きがかかって、歌ったら自然とむちゃくちゃ感動してしまう!本番、もしかしたら泣き出す益楽男がいるかもしれない、そんな風に思った。(どうせならお客さんを泣かせたい…。)


そして、「ゲーテの歌」の夜

Goethe

全曲そろった日に、「個性について」を数回聴いて、そして「ゲーテの歌」を聴いた。その凄まじさにあらためて驚いた。そうして、そのまま朝まで「ゲーテの歌」を繰り返し聴き続けた。もう、3曲目で十分なのではないだろうかというところに、この後にゲーテを歌わなければならない。
本番の会場で聴いてくださる方々に、なんらかの衝撃を与えるに違いないこの曲。成功するかどうか、全くわからない。
やはり、最初から最後まで頭を悩ませたゲーテは私にとって特別な曲になりそうである。


by でんで  2016/03/17



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