益楽男がこれまで歌った曲
Library


HomeArchiveFieldwork!! > 「一度きり合唱団」出演レポート by なごます

「一度きり合唱団」出演レポート by なごます

益楽男グリークラブの放牧期間中、東京都合唱祭に「一度きり合唱団」の団員としてオンステしてきました。

曲目は「はきものをそろえる(作詞:藤本幸邦、作曲:北川昇)」「僕が守る(作詞:銀色夏生、作曲:上田真樹)」の2曲を演奏してきました。

「僕が守る」は第78回NHK全国学校音楽コンクール(2011年度)の課題曲であったこともありご存知の方も多いかもしれません。


「一度きり合唱団」とは

北は北海道、南は山口まで、全国各地の団員で構成されたTwipla公募(http://twipla.jp/events/241958)の混声合唱団です。オンステメンバーの中で、最も南から来ていた団員は京都の方でしたが、途中でオンステ不可となってしまった元団員を含むと、南は山口まで、です。所帯は約40人です。

7/17(月・祝)の東京都合唱祭での1ステージを目標に、10回の練習を重ねてきました。


「一度きり合唱団」の特色

 内輪ノリを恐れず、思いつくままに記載します。

団員が持つバックグラウンドの多様性

合唱経験、年齢、職業は様々。

合唱経験で言えば、合唱を始めてから1年弱の人から、全国大会を経験した人、音大で専門教育を受けた人まで。年齢は10代~30代後半で、最年少は2000年代生まれ…。職業は高校生、大学生、会社員など、色んな人がいました。


遠距離団員の存在

前述の通り、北は北海道から、南は山口まで、遠隔地の団員も数名在籍。深夜バスと電車を乗り継いで10時間かけて練習参加する団員も。


団員の仕事の早さ

その日の通し音源(練習の最後にその日の成果を見るために、曲をすべて演奏した音源)が、その日の帰りには、団内のファイルサーバーにUPされた。

また、別のエピソードとして、一度きり合唱団の活動がまとめられたメモリアルムービーが、本番打ち上げ会場で上映された。そこには、我々が壇上に登る映像もあった。(結婚式のごとく!)


団員の仕事の丁寧さ

各回の練習について、指揮者、歌い手をそれぞれ映す2つのカメラで映像を収録。その映像は1つの映像に合成され、毎回分、団内のLineにUPされた。もう一度言うと、「毎回分」UPされた。


愛すべき合唱バカたちの宴

休憩中にも隙あらば、ピッチパイプのE音が鳴る。その音に乗っかる団員が、「斎太郎節(サイタラ)」の一斉合唱を始めてしまう。休憩時間があれば、その間にいろんな歌を歌う。(「どきりリサイタル」と呼んでいます。)

また、当日本番前のリハーサル。リハーサル室に入った途端鳴り出すピッチパイプのE音。リハーサル室に入室している最中にサイタラが始まってしまう。結局その日のリハーサル15分の内、7分はサイタラと鷗の演奏。

などなど、とても賑やかな団体でした。



「一度きり合唱団」の良かった点

エピソードだけで終わってしまうのも勿体無いと思い、「一度きり合唱団」の良かった点をあれこれ考えてみた。

フォロワーの多いTwitterユーザーが運営の中心にいたこと

どんな団かはよくわからないものの、多数のネットユーザーにある程度団を知ってもらうことができたと考える。その中心にいたのがフォロワーの多いTwitterユーザー数名で、その発信力は、団員を集める、という点において、大きな影響があったものと考える。


なんだかんだで、みんな真面目に練習に取り組んでいた

練習回数は10回。そのうち2回が北川昇先生、黒川和伸先生による特別練習であり、企画合唱団にしてはしっかり練習していた方なのではないかと思う。

また、団員は真面目に練習に取り組んでいたと思う。指揮者の指示や指摘を茶化すことなく、各々で活かそうとしていた姿勢が見て取れた。ノリの良い団体であるがゆえに、練習中に雑談が止まない、たるみがちになることは往々にしてありそうであったが、そういったことはほぼ無かった。


とにかく歌好きな団員と、壇上以外で歌うことを知っている合唱経験長めの団員

団員がとにかく歌好きであったことは前にも述べたし、だからこそ、休憩時間中に、どきりリサイタルが始まった。その中で、どきりリサイタルに一定のクオリティを与え、より楽しくしたのが、合唱経験が長めの団員だったと思う。その彼ら(彼女ら)が練習以外で歌う習慣のある地域や学校で経験を積んでいたことが、リサイタル特有のノリの良さにつながっていたと考える。

地域や学校によっては、壇上と練習以外では歌わない団も結構あるが、例えば、東北や関東ではコンクールで歌い回しが行われたりしている。このあたりの出身者が多いことが、特有のノリを作った一つの要因なのではないだろうかと考える。


とにかく団や団員に対して献身的だった指揮者「魔王」

団員が集まらなければ、自身が建て替えていた会場代やその他費用がおじゃんになるという状況の中で、練習の運営から技術指導までを、手弁当で回していた彼の存在は大きかったと思う。


熟練者、初心者問わず、各々が周囲を思い遣っていたこと

自分の見た範囲では、時々なされる歌い手同士の指摘も、厳しすぎず配慮があったものと思えたし、会場設営や撤収作業も、各々が、今自分にできることを実践していたと思う。



「一度きり合唱団」の活動を終えて

実は、私個人的には、特別な感情はなく、ただただ色んな人と会えて嬉しかった、また会えるよね、の一言。

継続的に、破綻なく活動できる最大のやる気や行動力を100とした時に、全員で平均すると、110~120くらいは出ていたのではないかと思う。その中でいいものを色々と見せてもらった気がする。いわゆる非日常に近いのかな。

今になって、最初はみんな不安だった、と口々に語っていて、私もその例にもれなかったんだけど、自主的に(団内展開用の)ビデオと録音を撮っている人がいると知ったときには何かしないとなって思いましたね。その方も益楽男の見学にいらしたことがあるのだとか。

自己紹介を聞いていると、初心者もいれば経験者もいる。どうしようかと思い、休憩時間中に「カズー」という音の出る楽器で「いざたて戦人よ」をワンフレーズ歌ったら、みんな歌いだしたから、その瞬間にこれはいけると思いました。

練習回毎に雰囲気が違ったのも興味深かった。この練習回は歌い回すには敷居が高いかなと思う回もあれば、少し自分が歌っただけで休憩時間中にどきりリサイタルが始まったこともあり、どうすればあの雰囲気が再現できるかなんてことは、今でもわかりません。

他の地域で一度きり合唱団を、という声もちらほら聞こえるけど、多分、(成立したとして)全く違うものになるのでは、と思ったりもする。また、もう一度、「一度きり合唱団」をなんて声も聞くんだけど、それってもう一度きりじゃないし、やっぱり別物になるんじゃないかなぁ…(嫌だとは言っていない)。

何を常設団や日頃の生活に持ち帰り、どう活かすかは団員各々の課題だと思いますが、これだけあれこれ考えてみれば、何か自分でも分かるかもと思い、筆を執った次第です。


最後までお読みくださり、ありがとうございました。


[参考]一度きり合唱団の演奏

はきものをそろえる

僕が守る



by なごます  2017/07/30  




inserted by FC2 system