男声合唱のための
   「どちりなきりしたん」より IV
    作曲: 千原 英喜

演奏:男声合唱団 羅面琴

混声合唱のための
   「どちりなきりしたん」より V
    作曲: 千原 英喜

演奏:大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団

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【特集】千原英喜作曲「どちりなきりしたん」を考える

はじめに

千原英喜作曲の男声合唱のための「どちりなきりしたん」IV、Vを歌うにあたって、団員たちよる研究の成果をここにまとめる。


どちりな研究会の発足

Twitterにてどちりな研究員が自然発生的に現る。そして東京某所の会議室にて、どちりな研究会は開かれることとなる。

第1回どちりな研究会(平成26年5月29日)

1.キリスト教概説

研究員:KIN
男声合唱のための「どちりなきりしたん」に取り組むにあたり、曲のテクスト理解の前提となるキリスト教の一般的な知識を整理。単に旧・新約聖書の内容を要約するのではなく、理解のために一定の観点から旧・新約を横断的に整理・比較している。また、キリスト教の説明に止まらず、宗教における神概念等を哲学的に整理するということも試みた。一宗教の理解にとどまらず、哲学の枠組みをくぐらせることで、普遍性のある形で旧・新約聖書の思想的価値もある程度明らかにできると思われたからである。


2.トマス・ア・ケンピス『キリストにならいて』及び『こんてむつすむん地』について

研究員:ざびゑる
トマス・ア・ケンピス<Thomas à Kempis>の著書「キリストに倣いて」、またその抄訳国字本である「こむてむつすむん地」とは。どちりなきりしたんの歌詞の出典をみる。


3.『サカラメンタ提要 Manuale ad Sacramenta』について

研究員:OMY
サカラメンタ提要とは。その第2部に収められているグレゴリオ聖歌「Tantum ergo Sacramentum」はどちりなきりしたんのUとWで取り上げられている。ネウマ譜で書かれた楽譜も必見!!


4.イエズス会と日本のきりしたんとの関係と影響

研究員:史吟
当時戦乱の時代で暮らす人びとは、現世を儚み、厭う中で衰退した仏教に変わる精神的な救いを求めていた。どちりなきりしたんの中で歌われている「きりしたん」とは。


5.千原英喜の世界観

研究員:小池
千原英喜・間宮芳生の両氏が合唱作品の「テキスト」をどのように捉えているかの比較にズームアップすることを目的とした。 千原作品に感じる歌や人生の素晴らしさとは。

第2回どちりな研究会(平成26年6月24日)

6.どちりなきりしたん 解説

研究員:吉岡理
どちりなきりしたんIVとVの構造と特徴。曲の中で使われている音階や旋法から曲想を考える。


7.どちりな研究会資料―楽曲分析編―

研究員:下河原建太
全体を俯瞰する「東洋医学的分析」によって、音楽の勘所、全体のバランスを考えて行くとともに、どこに表現の要所を持ってくるかを提案する。次に「西洋医学的分析」によって、細部に発見出来る構成、理論化されている知識の指摘をした後に、それがどのような表現につながりうるかということを考察していく。

【合宿】どちりな研究会プレゼンテーション(平成26年7月26日)

どちりな研究会まとめ

研究員:硫酸
詩の解釈と音楽の展開について、最小限の共通認識を持つことを目的とする。合宿にて研究のまとめを発表。


どちりなきりしたんを歌うために


どちりなきりしたんW・X ラテン語の発音と単語の意味(日本語歌詞の現代語訳も)

研究員:OMY

ラテン語のアクセント位置の規則 (pdf)

研究員:ざびゑる

ギター脳による合唱のための和音・転調講座 どちりなきりしたんIV・転調編

研究員:硫酸

【合唱対話篇】第3回 デウスの御国はどこにあるの 〜どちりなきりしたん〜

第13回 時空を超える合唱史の旅(3)−グレゴリオ聖歌「どちりなきりしたん」解釈のヒント−

研究員:KIN   合唱対話篇・続編はKINさんの合唱対話篇一覧から



最後に

ここに掲載しているコラムを執筆してくれたどちりな研究会のメンバーに心から感謝の意を表したい。
来たる8月31日、この曲をコンクールで歌う。この研究によって、どのような「どちりなきりしたん」を客席の皆さまに届けることができるのか、非常に楽しみである。
また、これから「どちりなきりしたん」に取り組む合唱人にとっても、これらの資料が楽典・楽曲研究の一助になってくれると嬉しい。

コラムを読んでくださった方々へ
まずは、益楽男力作のコラムを読んでくださりありがとうございました。あつかましいお願いではありますが、もしTwitterをされていたら、各ページのTweetボタンで執筆者に感想をpostしていただけると大変嬉しいです!では、今後とも益楽男をよろしくお願いいたします。(でんで)

by どちりな研究会 2014/08/14 




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