ギター脳による合唱のための和音・転調講座
どちりなきりしたんIV・転調編
3月8日の練習で扱った、どちりなきりしたんivの転調部分についてまとめです。
コードネームの読み方
ギターの世界では、この様に表記する事になっています。メジャーの和音(合唱で言うdur)をアルファベットのみで表記し、これを基本形として和音の響きを表す記号が付随します。
構成音の役割
和音を構成する音には、それぞれ役割があります。Cを例に簡単に説明するので、低いほうから読んでね。
音量の比率としては、 1≧5≧3 が理想 |
第5音 | 根音を補助する音。 根音との幅が厳密になるほど、根音もしっかり聞こえてくる。 |
---|---|---|
第3音 (性格音) |
和音に明暗の表情を加える音。 長3度:明るい ←(半音違い)→ 短3度:暗い ここの音程が崩れると、和音全体の印象が変わってしまう。 |
|
第1音 (根音) |
和音の高さを決める。この場合はC。 この音を基準にして音を重ねて行くので、しっかり出すこと。 |
※以下、明るい和音をつくる第3音を「▲3」、暗い和音をつくる第3音を「▼3」と表記します。
上記の1、3、5が基本的な和音の構成です。第3音が2種類あるので、これだけで明るい和音と暗い和音を作る事が出来ます。さらに構成音を加える事で、和音に対してさらに細かい表情を付けられます。
転調部のコードについて
どちりなivの転調部には以下の和音が使われています。69小節のCは前述の明るい和音、71小節は同じく暗い和音です。残りの3つについては、次の表にまとめました。
小節 | コードネーム | 構成音 | メジャーとのちがい |
---|---|---|---|
68 | シー・ サスペンデッドフォー Csus4 |
1・4・5 | 長3度が4度に上がり、明るいを通り越して神々しい響き。第5音とぶつかるので、半音下げてメジャーに行くと落ち着く感じ。 |
69 | シー・メジャー C |
1・▲3・5 | これがCメジャー。合唱で言うdur。明るい和音。 |
70 | ディーフラット・ メジャーセブンス D♭M7 |
1・▲3・5・M7 | 1・▲3・5の明るい和音に、第7音(長7度)を追加。 ▲3・5・M7が暗い和音の構成と同じになるので、明るい和音と暗い和音が混ざった感じの響きになる。M7が強過ぎると纏まりが悪い。 |
71 | ディー・セブンス D7 |
1・▲3・5・7 | 第7音(短7度)を追加した和音。第7音が根音のオクターブに行きたがる性質を持ち、その行き先を第5音に持つ和音(G)に移りたい気がしてくる。次の和音に行きたい気持ちは、7の音量に比例。 |
71 | ジー・マイナー Gm |
1・▼3・5 | 合唱で言うmol。暗い和音。根音と第3音は短3度。 |
※音量の比率としては、大体こんな感じ⇒ 1≧5≧3=4>7≧M7
長くなりましたが、以上が転調部に使われている和音の解説です。この頁では和音ごとの性質を扱って来ましたが、流れで見るとパートごとの役割が見えてくるかも…? と言う訳で、流れについては下の図ををご覧ください。
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by 硫酸 2014/05/07 Tweet